「自閉症への運動療育の有効性」

2024/02/06

  こんにちは。東京で知的・発達障害のあるお子様・グレーゾーンのお子様にマンツーマンでの個別運動療育を行っているマリリンスポーツ塾です。今日は、「自閉症への運動療育の有効性」について書いていきたいと思います。

 いやいや、自閉症には運動療育よりもまずは社会性を身につけた方がよいのではないか?そんな疑問がある方も多くいらっしゃるかと思います。

実は、自閉症への運動療育と社会性の獲得には密接な関係があるのです。

 まず、前提としてお伝えさせていただくと、自閉症は、社会性障害やコミュニケーション障害を主な症状とする発達障害です。現在は「自閉症」という単一的な表現ではなく、「自閉スペクトラム症(ASD)」という広い範囲での障害の中に含まれるとされています
 近年の研究ではASDの約8割は運動の障害(DCD)を伴うという結果もあり、粗大運動(身体を大きく使う、体幹や姿勢を身に付ける運動)や微細運動(日常で必要な指先などの細やかな運動)など、様々な機能の獲得に困難が生じます。

 では、なぜ社会性やコミュニケーションの障害とされるASDと、運動することとの有効性が関係するのでしょうか?”

 2021年度に発表された早稲田大学の研究によると、「自閉スペクトラム症はコミュニケーション障害や反復的行動を示す神経発達症である。多くの自閉スペクトラム症児はうまく字が書けない動作模倣が苦手など 不器用さをあわせもち、学業や日常生活に困難をきたしている。また、運動の苦手さとコミュニ ケーションの苦手さが相関するという報告があり、運動障害と社会性障害が関連する可能性が 指摘されている」とあります。

 運動により神経発達を促すことが、コミュニケーションの困難さや日常生活の困難さ、社会性を含む様々な機能の獲得に影響することを示唆しています。つまり「自閉症への運動療育の有効性」とは「運動神経の改善だけではなく、社会性や日常生活の困難さに対して効果がある」と言い換えることができます。

 療育の分野では様々な形での社会性のトレーニングがありますが、運動で社会性が改善されるということはあまり知られていないように思います。ぜひ今回のテーマとした「自閉症への運動療育の有効性」について体験する機会を持っていただけたらと思います。

 マリリンスポーツ塾は自閉症への運動療育の中でも、「社会性の基礎を築くための、マンツーマン療育」に特化した運動療育を行っています。利用された方々からは、

・あいさつができるようになった!

・思い通りにならなかったときの癇癪が少なくなった!

などの社会性の獲得を感じさせるような多々のお喜びの声をいただいております。

広い社会に飛び出していくお子様の発達支援のために、まずはその基礎である発達の土台作りのための療育を行っています。

お子様の発達の支援の参考になれば幸いです。