2025/01/14
本日は、「発達特性のある子どもへの大人側の関わり、声掛けのポイント」について紹介していきます。
発達障害のあるお子さまには、一人ひとりの障害特性に配慮した「接し方・伝え方」をしていくことが大切です。では、お子さまにとって「理解しやすい」指示の出し方とはなんなのでしょうか。
「なぜ話を聞いてくれないの?」「いくら言っても伝わらない!」「どうしたら言うことを聞いてくれるの?」そんなお悩みのある保護者の方も多いと思います。そんなお悩みを持つ保護者の方へまずは、声掛けの基本を例を交えて紹介したいと思います。
対応の基本例①「直接的に」
~片付けの時間になった時~
○今遊んでいるおもちゃを片付けるよ
✕他のお友だちはみんな片づけをしているよ
対応の基本例②「簡潔に」
~何個かやらなければならない事がある時~
○まず、この宿題を終わらせてね。
✕宿題をやって、明日の学校の準備をして、それが全部終わったら遊んでもいいよ。
対応の基本例③「具体的に」
~机の上を整理する時~
○机の上にある教科書を、カバンにいれてね。
✕ちゃんと机を片付けなさい!
対応の基本例④「論理的に」
~お友達や兄弟のおもちゃを取ってしまった時~
○お友達(又は兄弟)にそのおもちゃを返してあげなさい。
✕お友達(又は兄弟)にいじわるをしちゃダメよ!
……etc
このようにいくつかの例をあげると良くない方をついつい言ってしまう事があるかもしれません。ですが、少し話の内容に付けると、子どもたちの反応が変わってきます。
ここからは発達特性のある子どもへの大人側の関わり方や声掛けのポイントになります。
ポイントとしてまず、本人の気持ちを否定せずに、メリットや目的、意味を伝える事が大切です。子どものやりたくない気持ちにまず共感を示したあとで、その後の流れを説明します。やりたくない理由などを聞かずに、無理やりやらせると逆に反発したくなってしまいます。
他にも子どもの注意を引き付けてから伝える事が大切です。これはどういう事かというと、まず本人の正面に行って視界に入り、お子さまに呼び掛けてから、やってほしいことを端的に伝えるという事です。視界に入らない場所(後ろ)から呼びかける事や、お子さまの名前だけ呼び、視線や指差し等で伝える事は子どもには理解が難しい場合があります。
又、タイムリーにフィードバック(注意/褒める/アドバイス)する事も大切です。行動が起こってから時間を置きすぎずに、即時に伝えることが大切です。間を置きすぎると、何についてのフィードバックなのかが曖昧になることや、行動の記憶が薄れてしまうことがあるため、行動の直後におこなうようにしましょう。その行動をまたしてほしいときには、3秒以内に褒めることで行動の定着をさせる効果が高いと言われています。
そして、否定や叱責より、肯定語で伝える事もとても重要になってきます。これは、経験のある方(保育士や学校教諭)でもついついやってしまいがちな行動になります。
例えば、「廊下を走らない」ではなく「廊下は歩きます」、「大きな声でしゃべらない」ではなく、「静かに喋ります」等、
「~しない」「~してはダメ」といった否定語での表現は、伝える側の意図する行動が直接的ではないため、特に発達特性のある子どもたちには、どんな行動を求められているのか、わかりにくい場合があります。否定や叱責は、本来その時にすべき適切なふるまいが分からず、止められた、否定されたという経験で終わってしまうので、その時にとるべき適切な行動を伝えるようにすると良いです。
マリリンスポーツ塾では、このように発達特性のある子どもへの大人側の関わり方や声掛けのポイントを意識して、運動療育にもあたっています。さらにはマリリンスポーツ塾の特色の1つの「楽しさ+頑張る」を活用して、子どもたちの成長に繋げています。
例えば、跳び箱をやりたくないと言った時、
「3つ課題の達成を行えたら、次の種目に行ける」という事を端的に伝えます。それは、跳び箱1段に乗る、だったり、開脚飛び3段だったり、子どもの発達段階によって、判断していきます。
なにをどうすればいいか分からない時、子どもたちは戸惑います。お手本を見せたり、端的に説明する事で「自分も出来る」と思わせる事が大切です。実際に、お手本を見た時と、そうでない時の技の完成度や、子どもたちのやる気の違いはとてもあります。そして、出来た時には即座に褒めたり、フィードバックを行ったり、さらに良くなるためのアドバイスを行います。そうする事で子どもたちは「認められている」と自己肯定感も上がっていきます。
子どもの自己肯定感を高める事を接し方の中心に置き、声掛けのポイントを押さえ、「伝わる声掛け」や、その子にあった接し方のコツをつかんでくると、「言っても分からない子」が、だんだんと「話せば分かる子」になり、発達特性のある子どもへの大人側の関わりが、だんだんと分かってきます。
マリリンスポーツ塾では、どんな発達特性のあるお子様も受け入れております。もしこの機会に運動療育を試してみたいという方がいらっしゃいましたら、是非一度、マリリンスポーツ塾へお越しください。
参考文献
楽々かあさん ホームページ
https://www.rakurakumom.com/amp/parenting
マリリンスポーツ塾 ホームページ