
2026/04/04
今回は、「空手の稽古に学ぶ!組手につながる"技の練習"で心と体を育てる運動療育」というテーマで社内研修を行いました。
空手というと、強い打ち合い(組手)をイメージするかもしれません。ですが実は、その前の段階で行う「技の練習」にこそ、子どもの発達にとって大切な要素がたくさん詰まっています。
■組手の前にある「技の練習」とは?
空手では、いきなり組手を行うことはありません。
まずは、
・まっすぐに突く
・正しく蹴る
・決まった動きで受ける
といった「基本の技」を繰り返し練習します。
さらに重要なのは、
・力をコントロールする
・正しい動作で行う
・姿勢を崩さない
といったことが必要になります。
この「自分の体を思い通りに動かす経験」が、療育にとても役立ちます。
■療育的視点で見る「技の練習」の意義
①力のコントロール
「強くやりすぎてしまう」「加減が分からない」
そんな課題に対して、止める動作のある練習が効率的です。
②姿勢・体幹の安定
構えや片足動作を通して、身体の軸を整えます。
ふらつきや姿勢保持が苦手な子にも効果的です。
③距離感の理解
「届く・届かない」を体感することで、人との適切な距離感が身についていきます。
■実践!療育での活動の流れ(約10分間)
実際に行っている流れをご紹介します。
①構え方(姿勢作り)
・まずは基本の構えからスタート。
・背筋を伸ばし、「かっこいい姿勢」を意識します。
②ワンツー(突き)
・「ワン・ツー!」のリズムで突きます。
・まっすぐ拳を前に出す。
・伸ばしきらずに止める。
→上肢のコントロール、力の調整などが育ちます。
③職員が突きを受ける
・子どもが突いてきたら、職員が優しく受け止めます。
→「当てる」よりも「コントロールができた!」という経験が大切。対人への安心感や距離感の基礎作りにもつながります。
④バランスボールを叩く
・硬いミットの代わりに、柔らかいボールを使用。
→思いきり体を動かせる。
→成功体験が得やすい。
→気持ちの発散になる。
「狙って当てる」ことを重視します。
⑤ボールキャッチ(ボールを左右の手で交互にキャッチする)
・ボールをよく見てキャッチします。
→目と手の協調
→反応力
→集中力の持続
動きのパターン(前に進みながら行う、後ろにさがりながら行う)を変えることで、最後まで楽しく取り組めます。
■活動をより良くするポイント
・できたことをしっかり褒める
・難しければ一部だけでもOK!
・安全と成功体験を最優先する
療育では「上手さ」よりも「できた!」という経験が何より大切です
■まとめ
組手につながる「技の練習」は、
・体をコントロールする
・気持ちを整える力
・人と関わる準備
を育てる、とても良いアプローチです。
療育では、「強さ」ではなく、「安心・楽しさ・継続」を大切にしながら取り入れていくことが大切です。
■おわりに
空手の基本動作はシンプルですが、その中には子どもの成長を支える大切な要素がたくさん詰まっています。
まずは「構え」「突き・蹴り」「ボール叩き」など、できるところから少しずつ取り入れてみてください。
きっと、子どもたちの「できた!」が増えていきます。
参考文献
・国際空手道連盟極真会館公式サイト