2024/07/30
本日は発達障害児へのコーディネーショントレーニングの有効性について共有していきます。
まず、コーディネーショントレーニングとは、手・足・指など全身の各部位を与えられたルールに従って協調して動かすトレーニング方法のことを指します。重心を得るために体のバランスをとりながら、複数の動きをおこなったり、指定されたリズムに合わせて動作したりすることで、バランス能力やリズム感、反応速度など多くの能力が磨かれます。これにより、日常生活やスポーツにおける体の使い方が改善され、技術の習得速度や運動パフォーマンスの向上や怪我の予防につながります。また、このコーディショントレーニングは頭で考えながら運動するため、脳の働きにも良い影響を及ぼし集中力や記憶力、思考力、想像力の向上にも寄与します。
現在では、世界中のアスリートたちに取り入れられ、パフォーマンスの向上や怪我の予防、長期的な体の健康維持に寄与しています。
このように世界中で取り入れられているコーディネーショントレーニングですが、発達障害児へもコーディネーショントレーニングは有効で、得られる効果は複数あります。中でも「7つの能力」と呼ばれるものがあり、この分野において大きな効果を発揮します。
①リズム能力
見た動きを真似したりタイミングやリズムを合わせたりする能力です。発達に遅れを持つ子や発達障害児は上手くリズムを取れません。音楽だけでなく、リズムは多くのスポーツに必要で、タイミングよくボールをけったり打ち返したり、走ったり歩く速度を合わせたりする必要があります。リズム能力があれば、適したタイミングにからだの動きを合わせられるので、鍛えておくと全てのスポーツに活かす事が出来ます。
②バランス能力
からだのバランスが崩れたときに、転ばないように体制を保ったり素早く戻して倒れないようにする能力です。転びそうになった時やジャンプして着地するときなどにも、からだを支えるバランス感覚がとても重要です。
③変換能力
そのときの状況や状況変化に合わせて素早く動きを切り換える能力です。例えばサッカーをしているときにボールを奪いに相手チームがやってきたら、ボールを蹴ったりして動作を変える必要があります。このように急な状況の変化にあわせて行動を変えるのが、変換能力です。発達に遅れを持つ子や、発達障害児はこの変換能力が通常の生活の中では育ちにくいので、積極的にコーディネーショントレーニングを取り入れていく必要があります。
④反応能力
「スタート!」の合図があったらすばやくからだを動かすなど、合図に素早く的確に反応する能力です。反応能力が高い子は「反射神経がよい」ともいわれています。
⑤連結能力
いろいろな動作をつなげ、スムーズに動かす能力です。例えばハードル競争では、ハードルを飛びこえるために足で踏み切り、蹴り上げ、ジャンプします。この一連の動きをすばやくスムーズにこなすのが、連結能力です。発達に遅れを持つ子や発達障害児はこの連結能力も備わっていない事が多いです。一つ一つの動作を連結して行えず、止まってしまいます。これをコーディネーショントレーニングを使って上手く神経系の発達を促し、連結能力を鍛えていきます。
⑥定位能力
自分と動いているものや人との距離を正しく把握する能力です。「このままのスピードだとぶつかってしまうから、少しスピードを緩めよう」「右に少し動けば回避できる」など、定位能力があれば自分と相手との位置関係を空間・時間的に把握することができます。
⑦識別能力
手足の動きと用具などを、視覚と連携させて使いこなす能力です。たとえば、自転車にのる時、手でハンドルを動かして足でペダルをこいでを自転車を操作し、視覚と連携させて前に進みます。つまり乗り物に乗った運動は、識別能力を使って運動しているといえます。自転車に乗る事が出来ない子は、この識別能力が育っていないと考えられます。
こういった考えや根拠からマリリンスポーツ塾では、発達障害児へのコーディネーショントレーニングの有効性を考え、積極的に取り入れています。
実際に、マリリンスポーツ塾では、大学の発達障害児や子供に関する研究を行っている大学教授と連携し、複数の発達障害児でコーディネーショントレーニングの有効性を調べるため、動画を取り、その有効性のデータを取ったりもしております。
その結果、コーディネーショントレーニングを取り入れている子供は運動能力の上達が早かったり、色々な運動において体の使い方が上手かったり、複数の動作を行う事に抵抗を感じなかったりしています。
マリリンスポーツ塾では、準備運動として、このコーディネーショントレーニングを実際に行い、子供達の成長をサポートしております。マリリンスポーツ塾の運動療育に興味のある方はぜひマリリンスポーツ塾へお問い合わせください。
参考文献
NEIGHBORFIT
マリリンスポーツ塾ホームページ