2024/03/02
本日はダウン症の特徴について紹介していきたいと思います。
ダウン症は正式名称を「ダウン症候群」といいます。(以下ダウン症)通常、ヒトの染色体は、1番目から22番目の染色体まではペアになっていますが、ダウン症は21番目の染色体が1本多く3本あり、これが原因の疾患です。
ダウン症の出生頻度は1,000人に約1人の割合です。日本では1年間に約1,100人生まれていると言われています。 ダウン症は心臓や呼吸器、目、耳、鼻など合併症を持つことが多い傾向にあります。平均寿命も短いとされていましたが、医学の進歩とともに治療や健康管理が充実し、平均寿命も延びてきています。
ダウン症の合併症で最も多いものは心臓疾患であり、全体の40-50%に見られるといわれ高確率です。 その中でも高頻度に見られるのは心室中隔欠損、心内膜欠損、動脈管開存などです。 次に食道や腸に異常が見られるケースもあり、食道閉鎖、鎖肛、十二指腸閉鎖などが挙げられます。
その他、ダウン症児からよく見られる特徴は
①ことばに不明瞭さが見られる
呼吸器系の合併症や口の筋肉の発達がゆっくりであることなどが影響しています。
②聴力が弱い場合がある
後天的に難聴になることもあります。1~2歳になっても声掛けに反応しない、発声がすくないなどの様子が見られる際は検査を受ける必要があります。
③ことばでのコミュニケーションが苦手
耳からの情報を認知することが難しいため、相手の話を聞き取ることが苦手なお子さまもいます。
④精神的に緊張しやすい傾向がある
新しい環境や慣れない環境に対して緊張しやすい傾向にあります。緊張感から吃音に繋がる可能性もあります。
⑤習得するまでに時間を要する場合がある
着換えなど生活に必要な身辺自立のスキルは、手先の器用さも関係しているため、習得に時間がかかる場合がありますが、ゆっくりできるようになります。
⑥筋力が少ない
筋力の低緊張があり筋量は一般より少ないため、歩くこと、話すことといった筋力を使う行動はゆっくりと習得、習熟していく。
⑦ 体の使い方が不器用
雑巾が絞れない、階段の上り下りが不安定、動作が全体的に遅い等、日常生活において困難が多い。
⑧運動が苦手・怖い
元々、筋力や体幹が弱いため、運動が苦手で、簡単な運動でも怖さを示す事がある。
⑨ 口腔内も特徴的
受け口、口呼吸、舌が大きい、歯が少ない、歯がバラバラに生える、虫歯になりにくいが、歯周病になりやすい
こういった様々な特徴のあるダウン症ですが、ダウン症児の発達は、運動、知能、言葉、社会性など全般においてゆっくりではありますが、子供達一人ひとりを理解しながら丁寧に対応をすることによって、子供の能力を引き出すことができます。最近では大学や専門学校で勉学に励む人も増えています。早期から介入し、子供に合った環境の中で学ぶことで、今後必要となるスキルを早い段階から身につけることができます。
マリリンスポーツ塾にもダウン症の子供が通っております。
マリリンスポーツ塾では、出来るだけ分かりやすい言葉遣い、表現を用いて話すようにし、又、視覚的な情報のほうが理解しやすいのも特徴ですので、絵カード等を用いたり、お手本をしっかり見せ、運動を行っております。
ダウン症の子供では、筋緊張が低く、全体的に運動発達が遅くなります。 姿勢や運動を評価してみても、腹部の筋緊張が低くて腰椎が前弯していたり、背臥位(仰向け)での伸展位(脚を持ち上げる等)を長く保てなかったり、影響が現れることが少なくありません。
ダウン症児では、筋緊張を高めるためのアプローチが必要になることが多いです。 バランスボールの上で座位や腹臥位(うつ伏せ)をとり、運動指導員が骨盤を支えながら軽く揺らし、体幹の筋緊張を高めるなどの方法があります。
マリリンスポーツ塾では、少しずつでも出来る事を見つけ、継続していきます。出来ない事ばかり注意していると、子供達は自信を失ってしまい、出来る事も出来なくなってしまいます。そうならないように、否定的な言葉は遣わず、出来る事を褒め、サポートし、成長の手助けを行っております。
発達障害や知的障害、ダウン症等、なにかお困り事があればぜひマリリンスポーツ塾へお問い合わせ下さい。
参考文献
メディカルノート
Medical Note